八重山上布九寸名古屋帯地 日本工芸会正会員 新垣幸子作
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商品番号 m0078
八重山上布九寸名古屋帯地
日本工芸会正会員 新垣幸子作

販売価格 有難うございました

 

八重山上布九寸名古屋帯地
日本工芸会正会員 新垣幸子作

八重山上布は、近年では白地にクール(紅露)で捺染した茶色の絣のものが広く知られていますが、もうひとつ、古くは人頭税という制度があった江戸期から大正時代まで生産されていた「紺嶋上布」と呼ばれる、手績みの苧麻を草木で手括りによって染め、手織りをした八重山上布があります。
後述のものはその後の量産体制によって姿を消していったようですが、新垣幸子さんは1970年代に日本民芸館で「紺嶋上布」の資料と出合われ、民芸館の勧めもあったようで、古代の八重山上布の制作手順に沿った創作を始められました。
古文書を紐とき、古代御絵図からの復元を実現されたその素晴らしい作品は博物館にも所蔵されています。
手括りの絣の八重山上布の復元と一言で言ってもそれは非常に困難で、これは宮古上布についても同じ事なのですが、手績みの苧麻の作り手が激減している事がその要因の一つとなっています。
数年前に工房にお邪魔させていただいた事があります。
沖縄特有の湿度と暑さに私などはちょっとグッタリ気味でしたが、新垣先生は、せっかく手に入れた苧麻のためにはクーラーを使うなどもってのほかで、この環境の中で織らなくてはいけないとお話されていた事を思い出します。
またその時には古い資料もたくさん見せてくださいました。
「新垣幸子の仕事」という作品集には用の美に徹するこだわりをもって創作されているという事が書かれていて、また『ふるさとの野山を経にはてしなき海原を緯に悠久の時を織り続け・・・』という素敵な文章にも、自然の美しさを織物の形として表現されている事がはっきりとうかがえて清々しく感動いたします。

今回は、新垣幸子さん作の九寸名古屋帯地を3点ご紹介させていただきます。
福木で染められた黄色地のものが2点ありですが、その黄色の発色の違いを素敵に使い分けられていて、それぞれがまったく違った個性を感じられる作品になっています。

こちらは黄色の色がとても元気が良く、思わず太陽をいっぱい浴びた石垣島のマンゴーを思い出してしまいました。
茜の色とのくっきりとしたコントラストが爽やかな夏のイメージを表現してくれているようです。なんだか美味しそうな可愛らしさが魅力です。
そこに琉球藍の線が入る事で全体をきりりと締めて、甘すぎない大人の可愛さにしてくれています。
そして茜の絣の足が新垣さんの作品ならではの美しさとも言える手括りの味わいを醸し出しています。
こんな夏の贅沢なお洒落が楽しめるのだったら、きっと暑さも忘れて気持ち良くお出かけできそうな、素敵な作品です。
黄檗色(きはだいろ)は「#fef263 WEB色見本 和色大辞典」を、
茜色は「#b23548 WEB色見本 原色大辞典」をご参照下さい。

※こちらはお仕立の加工代金を含めた販売価格となっております。
 (特殊なお仕立・加工をご希望の方はお問い合せください。)

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