「海底散歩」紅型染訪問着着物地
伊差川洋子作
生地:志村明作

商品番号 m0664
販売価格

※こちらはお仕立の加工代金を含めた販売価格となっております。
 (特殊なお仕立・加工をご希望の方はお問い合せください。)

商品説明
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【商品説明】
少し眠そうな目をして楽しく遊ぶお魚たちや、歌っているような珊瑚の姿に思わず微笑みが浮かびます。
海底をイメージした作品なのに、地色が金茶系の色紙を重ねたような濃淡になっているのが個性的ですが、地染めのその濃淡は、手元で見る時と羽織った時とで随分と印象が変わります。
身に纏うと、色紙取りのような濃い色の部分が効果的に浮き上がってお着物全体に奥行きを感じさせてくれて、また柄が一方附けである事などからも、良い意味での重厚さが現れます。
生地は志村明さんの作で、少し張りのある珍しい質感のものです。
それに顔料で染められている事でよりシャリ感のある心地良い手触りとなっています。
どんな帯を合わせましょうと考えていましたが、臙脂色の紬のお洒落袋帯がとても綺麗に合いました。
これほどの個性を持った作品ですので、メリハリのある着こなしが良いかと思います。
地の色の濃淡は路考茶色(ろこうちゃいろ)「#8A5F2E color-sample.com」、 狐色「#B1643B color-sample.com」
黄金色(こがねいろ)「#D68E31 color-sample.com」
魚と珊瑚の色は薄墨色「#7B8075 color-sample.com」、 褐色(かちいろ)「#444B5B color-sample.com」
滅紫色(けしむらさきいろ)「#463042 color-sample.com」をご参照下さい。

【伊差川洋子さんと浦添型】
沖縄には日本の染織文化のルーツとも言えるような豊富な染織技術があります。
染めも織りも豊かな自然を背景に独自の発展を遂げ、花開いてきました。
その中で、染めに関しては紅型染が唯一の染色法と言えます。
王府の時代、高位の人々の衣装としてその図柄は管理され、制作者も限られていたそうです。
その限られた制作者とは「紅型三宗家」といわれる沢岻家、知念家、城間家の三者で、一度染めると同じ柄は作らない、同じ型を二度と使わないという決まりごとがあったほど厳しく管理されていたようです。
そういった王府管理の時代から続いた紅型染の歴史は奥が深く、中国からの影響などもありながら変化していったようです。

伊差川洋子さんがご自身の染織家としての活動のテーマ「古い技法と新しいデザイン」を実現していかれる上で、古い紅型の染めの研究は欠かせないものでありました。
温故知新「幻の浦添型」との出会い。
鎌倉ノートにあった蒟蒻糊を使用した墨摺りの技法。
蒟蒻糊を使う事で表現できる図柄の細やかさ。
それ以来、取りつかれたように研究に没頭され、復元も実現され、さらに先へと進み続けていらっしゃいました。
現在それを娘さんである仲本のなさんが受け継がれ、一冊の本にまとめられたものが「ほこらしや浦添型」です。
(当店でもお取り扱いさせていただいております。)

伊差川さんが「幻の浦添型」に出会ってから長い年月をかけて、ご自身の作品に取り入れる研究を続けられ、はじめて「浦添型」の作品を発表されたのは2004年です。
古紅型を彷彿する濃淡の墨摺り染に、白い部分を効かせて模様を活き活きとしたものにするオリジナリティあふれる作品の数々は高い評価を受けました。

一昨年の春に工房をお訪ねした際、たくさんの資料を出してくださって、浦添型のお話を熱く語られていた事をよく覚えています。
「今年の冬に私も持てる資料を揃えてもう一度伺います」とお約束をしたのですが、実現が叶わず、その後再訪した際にはお会いできないまま、その2週間後に亡くなられてしまいました。
驚きと、残念でならない気持ちがこみあげて、もっとたくさんのお話をお聞きしたかったと悔やみました。
また浦添型の研究はどうなってしまうのかと心配もしましたが、娘さんであるのなさんがきちんと後を継がれているご様子に安心しました。
今回のイベントにもご来場いただき、偉大なる師としてのお母様のお話をしてくださる予定です。