からむしはイラクサ科に属する植物で、苧麻の原料でもあり、日本古来より作られていました。
高度成長によって生産性の向上を求める時代の流れから、化学繊維に押されて衰退し、消えていったもののひとつでもありますが、近年復元され少しずつ生産されているようです。
こちらは経緯苧麻の繊維で織られた地に、少しエスニックな雰囲気の更紗の模様が染められた珍しい夏の八寸名古屋帯です。
黒地に弁柄の赤茶色の唐花をディフォルメされた四角の模様が素敵で、そのふちを小さなお花が囲んでいるのも可愛く見えて、無地感覚や万筋の縞など麻のお着物にもお洒落に合いそうですし、絣の模様のものでもお合わせいただけると思います。
工芸的な味わいが個性的な、夏のおすすめの一点です。
科布に型絵染の作品などにも見られることなのですが、使いはじめのうちは天然の植物の繊維に定着しなかった余分な顔料が小さな粉末で落ちる傾向があり、ずっとお使いいただきますとそれもおさまっていくと思われます。
そのため少々お値打価格とさせていただきました。
未着用品。
地の色は鉄黒「#1a110d color-sample.com」、
更紗の色は栗皮茶「#6d3c32 color-sample.com」、
青藍「#274a78 color-sample.com」
をご参照下さい。
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